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2018年5月

VOLVO V60 Polestar

Polestar最後のピュアガソリンエンジンのコンプリートカーとなる、V60 Polestar 2018モデルを購入しました。

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納車されて2か月。

慣らしも終わったので、インプレッションを。

このポールスター、本来であればもっと華々しくアピールしたかったであろうけど、ひっそりとした扱いでした。

WTCCにて、ドライバーズとコンストラクターズチャンピオンを獲ったポールスターシアンレーシングチーム直系のコンプリートカー。

ですが、なんとそのWTCC自体が消滅。

WTCRとして再出発するわけですが、VOLVOはWTCR用の車を現時点で持っておらず、これから開発という流れです。

これにS60が使用されるかわからず、アピールするポイントを一つ失ってしまったところがあります。しかもV60/S60シリーズは新型へ移行するわけで、もう新型V60は発表されています。

さらにPolestarブランド自体がVOLVOから独立し、電動(ハイブリッド含む)パワートレインのみのプレミアムカーブランドとなりました。

すでに流麗なPHVである、Polestar1を発表しており、その他もどんどんと新型車を導入していく予定です。

シアンレーシングチームは今シーズン、同じく吉利汽車傘下のロータスエヴォーラでのレース活動を発表しました。

これはPolestarがシアンレーシングチームのアイコンではなくなったことを意味します。

ここで宙に浮いてしまったのが、まさにS/V60 Polestarというわけです。

事実として、PolestarのウェブサイトにはS/V60 Polestarは掲載されていません。

Polestarブランドでありながら、ピュアガソリン車。

出るべきレースがなくなってしまったことにより、レーシングを全面に出す戦略が使えなくなった。

それが2018年モデルです。

そんなことの影響はカタログにも表れています。

カタログの車のメインカラーはアイスホワイト。白系がPolestarの新コーポレートカラーなのでしょうか。

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カタログ内の写真は、アイスホワイトの他に国によってはR-デザイン専用色であるバースティングブルーメタリックであったり、オニキスブラックメタリックであったりします。

WTCCとのつながりをアピールしていた2017年のカタログとは大きく方向を転換しています。

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そして、登場して以来ずっとメインカラーであったレーベルブルーはカタログには色見本でしか登場せず、なんとレーベルブルーという色名がシアンレーシングブルーに変更されていました。

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色コードは共通でしたので、色としては一緒のものでしょう。

この色名の変更は、今後ポールスターとシアンレーシングチーム、そしてVOLVOの関わりを示唆しています。

そんななか、私が選んだカラーはもちろん

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シアンレーシングブルー!

もしかしたらシアンレーシングブルーのVOLVO車はこれが最後になっちゃうかなって。

まさにポリバケツのような鮮やかな青色!ソリッドカラーなことも特徴です。

そんなこんなで前置きが長くなりましたが、そんな会社内の扱いはなんのその、開発陣はできる範囲で精一杯のことを行ってくれたようです。

何と言ってもカーボン製のエアロパーツ。

コスメティックチューンがメインでしょうが、形状は本気です。

特にフロントのカーボンリップスポイラー。

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今時のメーカー車にはない過激な形状です。

なんと、このリップスポイラーのために、車体の全長が35mmも伸びています。

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アプローチアングルを稼ぐために、センター部分を短くしたり少し上に湾曲させたり、そんな配慮は一切ありません。

純粋にダウンフォースを稼ぐ形状です。

これ、ただの分厚い平面の板が貼り付けてあるだけかと思って裏を覗いたら、意外と薄く、そしてセンターはエンジンルームへと空気を導くためにわずかに湾曲させてたりと、形状が思った以上に凝っていました。

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これ、擦ったら絶対割れますね。

そして、割れたらめちゃくちゃ部品代高そうですね。注意します。 #フラグ

サイドスカートもサイドから下面への空気の回り込みを遮断しつつ、リアホイール周りの空気を整流しようという本格的な形状ですが、この車高ですと効果は薄いでしょうか。

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それでも、サイドのデザイン上のアクセントにはなりますし、何よりサイドも擦りやすくなってるという意味でとても注意が必要です。

サイドミラーのカバーもカーボンになりましたが、これは完全なコスメチューンですね。

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ですが、確かに特別感が出ていいです。

2017年までのPolestarはエアロパーツがついてはいるものの、あまりにも地味すぎて本当にベース車と見分けがつかないという、美点(?)がありました。

そのエアロパーツはV60だとルーフスポイラーとフロントサイドのリップスポイラーです。

今回はそこにさらにカーボンパーツを加え、少しだけ華やかに。

ホイールも

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凝った形状は2017年からの持ち越しですが

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グロスブラックに切削加工。そこに専用エンブレム。シルバー一色だった昨年モデルから少しだけ派手にしてます。

とはいえ、多分V60好きの人がみないとノーマルと区別できない程度の派手さ。

V60ポールスターをよく知らないけど車が好きな方が見たらおっ?っと思う部分はフロントブレーキキャリパーでしょうか。

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贅沢なブレンボの6ポッド対向キャリパーです。

こちらはスタッドレスタイヤ用のホイールですがこちらの方がキャリパーは目立ちます。

ネームがPolestarで色がシルバーのところも、非常に控え目でこの辺の寸止めのセンスがたまりません。

ローター径が371mmあり、スタッドレスタイヤが19インチまでしかインチダウンできません…。

スタッドレスはディーラーでコンチネンタルのヴァイキングコンタクト6を装着してもらいました。

このタイヤ、リムガードが付いていないんです。40扁平のスタッドレスタイヤでリムガードが付いていない…。恐ろしすぎます。

それはともかくとして、リアはキャリパーディスクローターともに他のグレードと同等品ですが

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パッドはボルボとブレンボのダブルネーム品。

マスターシリンダーも専用品がおごられているらしく、ブレーキシステムにはかなりのこだわりを持ってセッティングされているようです。

ここを見て思うのは、日本車ではありえないパッドむき出しのこのセッティング。

日本車だったらここに必ずシムが噛んでいます。ブレーキ鳴きに対しては日本車の方が徹底した対応が取られています。

このブレーキ。素晴らしいです。

タッチは踏力でコントロールするタイプとストロークでコントロールするタイプの中間くらい。

絶対的な効きが良いことはもちろんですが、非常にコントローラブル。ノーマルのV60T6のブレーキ性能は不満でしたが、これなら満点です。

と言いたいところなのですが、停止直前のマナーが良くないです。これはブレーキ自身の問題ではなく、トランスミッションの制御とアイドリングストップの制御、これにブレーキの効きのマッチングが取れてないことが原因です。

停止直前でギクシャクしてしまいます。

素晴らしい効きとコントロール性のブレーキシステムなので、最後もう一歩につめて欲しかったです。

素晴らしいブレーキのコントロール性の一端は、サスペンションの良さが影響していると思います。

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さり気なくスプリングがシアンレーシングブルー。

まだまだ本領発揮ではないのかもしれないですが、現時点でも十分にしなやかです。

確かにバネレートは高いです。ダンパーもそれなりに締め上げられているのだと思います。

ゆすられ感はありますし、うわ硬いなと思うことはあります。

が、ことごとくショックは角が丸められます。

これがオーリンズ製ダンパーの力なのか。

いや、ブッシュやボディーを含めたチューニングがうまくいってるからこそなんだと思います。

そして思った以上によく脚が動きます。

ギャップを乗り越えた時もそうですが、一般道で普通に曲がる際でも脚がつっぱらず、姿勢変化は少ないのにもかかわらず、減速で前輪に荷重がかかりそこから外側のタイヤに荷重が乗って、そこから加速して後ろの外側にという流れがすごくわかりやすく低速で乗っていても心地がいいです。

最低地上高を全く下げていないことも好印象です。

実用性を失うことをしないということと、サスペンションをしっかり動かそうという二つの意図ではないかなと思っています。

エンジンも気合が入っています。

2リッター直4ターボと言うとまぁダウンサイジングターボとして標準的なエンジンかなと思いますが、VOLVOはもう2リッター4気筒以上のエンジンを作らないと公言しており、つまりこれで今までであれば3リッター6気筒以上のエンジンが背負っていた領域もこれでカバーしなければいけません。

ということで、T6グレードのエンジンはパワーを上げるために圧縮比を落として(T5エンジンだと10.8だけどT6エンジンは10.3)ターボのブーストを上げやすくして、でもそれだとタービンが回るまでパワーもレスポンスも落ちちゃうから低回転域で使うためのスーパーチャージャーつけちゃえ!っていう酔狂なエンジンを作っています。

Polestarではさこれをベースとしていますが、コンロッドを短くしてさらに圧縮比を下げて8.6。

今時のダウンサイジング直噴ダーボで8.6はちょっと…。

燃費悪そうです。

これに大きいタービンで過給圧ガンガンかけることにより、2リットルエンジンから367馬力47.9kgmを絞りだしています。

このスペックをディーラーで普通に売るっていうことは耐久性もある程度は確保できているってことであり、驚愕です。

2リットルエンジンでこれよりパワフルなものを探すと、メジャーどころでディーラーで購入できるものとしてはAMGの45系に積んでいるエンジンしかありません。

VOLVOの意外な一面です。

そんな特別なエンジンなのに

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エンジンルームはこの有様…。

もう少しコスメ的にアピールしてもいいような。

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タワーバーのカーボンだけが特別な要素です。

それはさておき、実際に乗ってどうなの?と。

ノーマルモードで日常的に走っていると、排気音も静かですし特に特別な感じはしないエンジンです。

エンジンの始動音です。

特に派手な演出もなく、アイドリングも安定しています。

これだけ特別なエンジンなのに普段使いでもノーマルモードなら普通の感覚で運転できます。

ただ、ブレーキの部分でも書きましたが、極低速域でのギクシャクが気になります。

アイドリングストップやミッションの極低速域での制御は日本車の方が圧倒的に美味いです。

Polestarの走りの質感を失っている最大のポイントになってしまっているのが残念です。

また、日常的に2000回転付近を保とうとすることが少し気になります。

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2000回転以下ではパワーがノーマルエンジン比で劣っていることを隠す意図もあるかもしれないですが、ファイナルギアを大きくしているし、実際にはもっと低い回転域でも不満を感じることはないのではないかと思います。

60km位で定速巡行していると大体5速くらいに入っているのですが、パドルを触ると6速か7速に入れられます。ATでそういう制御を受け入れてるってことは、意図的に2000回転くらいを保ちたいってことの表れだと思います。

レスポンスとか色々あるかもしれないですが、インテーク周りのスス対策かなと私は思っています。

ノーマルモードでは燃費にこだわった制御をしているのか、トルコンをロックアップや解除の制御を細かくやっており、それを感じさせないように細心のセッティングを行っていますがそれでも少し気になるところはあるにはあります。

Sモードに入れてしまえば細かいことは気にならなくなります。こちらが本来のモードなのだと思います。

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まず専用エクゾーストシステムのバルブが開き、ワイルドな音質に。

音量や音質はAMGの45系よりも若干抑えめで上品。アクセルオフしてもパンパン言いません。

この辺の寸止めの感覚がVOLVOなのかもしれないです。

アイドリング時からスーパーチャージャーがミャーミャー唸り、やる気満点です。

スロットルレスポンスが過敏という意見もありますが、逆に変な制御が入らないので私自身はノーマルモードよりもコントローラブルで感覚にあってるなと思います。

また、このモードだとパドル操作によるシフトチェンジのレスポンスが非常に良く、2008年式のGT-RのDSGと比べても遜色ないです。

シフトチェンジ時、トルクがかかっている場合シフトチェンジ時のショックを減らすエンジン制御が入っており、その際の排気音がバララ!っていう所など控えめながら演出も入っており素敵です。

ちなみに隠しモードであるスポーツプラスモードに入れて、ローンチコントロール使って全開加速するとバララ!って言わずにショックガンガン伝えながらシフトチェンジします。

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ミシュランのパイロットスーパースポーツというハイグリップタイヤを使ってさらに4輪駆動にもかかわらず発進時一瞬ホイールスピンし、確かにカタログスペックで0-100km加速5秒を切だろうなっていう加速をします。

エンジンは下から上までパワフルで、ダウンサイジングターボにありがちなターボが効くまでの一瞬のトルクの細さとか、上が全然回らない上スッカスカとかっていうネガを極限まで感じさせない、すごいエンジンです。

メカニカルスーパーチャージャーも付いているからこそターボチャージャーを高回転域に合わせ込めたのかなと。だからパワーの頭打ち感がないけどもどこでもトルクフルっていう不思議なエンジンを作り出せたのかと。

これが、極上の脚周りとブレーキに支えられて味わえるという、なんとも贅沢な車。

燃費も現在のところ8km/l程度とまぁそこそこです…。

少し視点を変えてインテリアへ。

普通のV60の世界が広がっています…。

確かにヌバック(人工)が使われていたり、バースティングブルーのステッチが入っていたり、さりげない特別感がありますが、さり気無すぎます。

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室内で一番目につく特別な部位はクリスタル調のシフトノブとカーボンパネル。

このカーボンパネルがつや消しなところが寸止め感があって好きです。

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夜間はブルーに光って綺麗なのですが、若干昭和を感じます。

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あと、シートにピロっとスゥエーデン国旗がついてたりなんとなくオシャレです。

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専用のペダルや

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シリアルナンバー入りのスカッフプレート

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よく見るとサーキットの縁石が見えるナビの専用オープニング画面と、少しだけ特別感が演出されてますが、もう一歩特別感を演出してもベース車比200万高なんだからバチが当たらないのでは…。

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ちょっと悔しかったので、カロマットのコースターを入れてみました(謎)。

今回の車で唯一装着したオプションです(笑)。

まとめになりますがV60T6からV60 Polestarに乗り換えましたが、実用性はほぼそのまま、基本的な乗り味の雰囲気を残しながらも、はるかに高い次元の走り。

ノーマルから何も失ってないとは言えないですが、旧世代のVOLVOそしてシアンレーシングチームの集大成として、素敵な車に仕上がっています。

もう直ぐ型落ちになってしまいますが、それがマイナス要素に感じさせない、本当に大満足の買い物でした。

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これからしばらくこの二台体制になりますが、メインで使うのはV60。

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宜しくお願いします!

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