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ECLIPSE TD-M1 を 導入しました

久々の更新が、なんとオーディオネタです。

私事ですが、結婚いたしまして新居での新生活となりましたが、大変ありがたいことに、私の部屋を割り当てていただくことができました。

ありがたや。ありがたや。

実は、私かくれオーディオ沼の住民でもありまして、新居でもできればオーディオ沼を楽しみたいと思っておりました。

が、賃貸であることや、居住環境を考えると、部屋から構築するような大型のシステムも望めないですし、大音量で楽しむということも難しいです。もちろん、予算は公式には付いておりません。そして、嫁様に目をつけられるわけにもいきませんから、あからさまに高価そうなシステムとか、でかいシステム、仰々しいシステムは避けるべきです。

そうすると、必然的にニアフィールドリスニングでオーディオを楽しむということになるのですが、そこで前々から気になっていたこのスピーカーを導入しました。

Img_8698

ECLIPSEのTD-M1というスピーカーです。

オーディオマニアの方が眉をひそめる、いわゆるアクティブスピーカーというやつです。

さらにこれは無線LANやDACも内蔵しており、ネットワークプレーヤーとしての機能も備えています。

つまり、これをポンと置いて電源を入れるだけで、あとは適当にスマフォとかとペアリングしちゃえばオーディオを楽しめるという大変素敵なシステムです。

このスピーカー、とても特徴的です。

まずはその形に目がいくと思います。

Img_8679

こちらが右スピーカーで、こちらにDACやLAN、ケーブルのコネクターを始め、Dクラスアンプが内臓されています。

電源はACアダプター方式で独立しておりますが、これはスペース的な問題ということに加え、ノイズ対策でもあると思います。

非常に理にかなっています。

この形状は、スピーカーボックスによる音の回折や内部の定在波の音への影響を最小限に抑えるための形状です。

そして、スピーカーユニットは頑丈な金属製のアンカーに強固に固定されており、それ自体の振動が相互作用を及ぼさないように配慮されているとのことです。

このスピーカー、形だけじゃなくて、コンセプトが面白いんです。

タイムドメインに焦点を当てたスピーカーシステムです。

通常、オーディオで高音質を求めようと思うと、一般的には出力(計測)される周波数特性をあらゆる周波数帯でフラットにすることに焦点を当てます。

が、このスピーカーシステムは違います。

開発エンジニアがインタビューで答えていますが、正直周波数特性、あんまり気にしていないみたいです。

そりゃそうです。8cmのフルレンジ一発では、フラットな周波数特性は無理です。

じゃぁ、何にこだわったかというと、音の時間軸にこだわっています。

音を再現するときには、スピーカーを振動させるわけですが、どうしても重量があるものを振動させるわけですので、遅れが出ますし、慣性で減衰も思う通りにはいきません。

さらには、周波数毎にユニットを使い分けるマルチウェイシステムでは、ネットワークによってズレが生じますし、ユニットの特性も口径も、耳からの距離も違うので、連続した音でフラットな周波数特性を示していても、時間軸に分解してみると、波形が元と全く異なるなんてことが起こりやすくなってしまします。

エクリプスは、タイムドメイン理論に従って、徹底的に時間軸での波形の再現にこだわっています。

メーカーさんの言う「正確な音」です。

当然それを実現するためには、再生系統から統合して設計する方が有利ですので、このDAC内臓のスピーカーシステムは、理想を体現するにはスピーカー単体よりもむしろ、理想的な素材であったとも言えます。

そう、通常のオーディオとは”目指しているものに対してのアプローチ”が違うんです。

通常自転車のホイールが速く走る事のために、軽量、高剛性をバランス良く求めるのに対して、GOKISOが重量や(ホイールとしての)剛性を軽視し、回転性能、その一点を追い求めるかのように、このスピーカーシステムは、徹底的に音の時間軸にこだわっています。

さて、そんな屁理屈は置いておくとして、気になるのは音質だと思います。

正直申し上げますと、おそらくオーディオにあまり興味のない方は特に、このスピーカーをいわゆる「良い音」と思わないと思います。

やっぱり「低音」がズンズンなってることと、高音域でしゃりしゃりした感触があると、「良い音だなぁ」って感じると思います。

良いか悪いかは別として、BOSEさんなんかは、明確にその辺をついてきます。

なので、パッと聴いた感じ「お、良い音だな」って。

このスピーカーシステム、13万ほどしますが、その値段出せばそういう音を聞かせてくれるシステムはいくらでもあります。

あと、比較的指向性が高いですし、リスニングポジションによる変化が大きいので、部屋のどこかに置いておいて、BGMとして気持ち良い音という感じでもありません。

パッと聴いた感じの感想は「安いイヤホンみたいな音だな」です。

イヤホンじゃなくて「安いイヤホン」なのは、やはりレンジの狭さを感じるからです。

低音も鳴りませんし、高音も伸びません。

ある一定以上の水準のオーディオになると、「あ、これ高いオーディオの音だ」っていうのが確実にあるのですが(それはメーカーの違いだとか、ホームオーディオだとかカーオーディオとか、マルチチャンネルオーディオだとか関係なくある一定お金がかかったオーディオだとなんとなくわかる感触なのですが)、そんな感じの音もしません。まぁ、そういう音を聞こうとするには、桁が足りていませんし。

が、そんなことどうでも良いです。

このスピーカーシステムでなければ聞けない音、それが聞けるだけで十分です。

一言で言うと、非常に生っぽい音なんです。

スケールは小さいですが。

これに気づいたのは、実際にコンサートに行って、ホールで聴いたオーケストラコンサートの収録音源を聴いた時です。

机の奥に確かにホールで聴いたオーケストラがミニチュアで存在します。

オーディオショップの自慢の視聴ルームの、数百万を投じたオーディオシステムでもそれは感じることができるのですが、それはスピーカーが鳴っている(オーディオが奏でている)もので、存在しているとは感じないのです。

なんというか、ガラス越し、レンズ越しに聞いているような感じになります。

具体的ではないですが、そう感じます。

逆に言いますと、いわゆる良い音じゃないんです。やっぱり。

ガサツな録音の音源は、そのままの音になりますし、それこそこだわっている音源はそのこだわりが手に取るようにわかります。

今まで何んとなく聞いていた音がしっかり聞き分けられたり、逆に目立たなくなったり。

低音が出ないというインプレも多く見ますが、それはその通りでもあり、思ったよりそうでもないかなと思います。

私は、思ったより低音出るなと思いました。

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これは、最終設置場所とは違うところで試しにおいてセッティングしてみて聴いてみたときですが、後ろにバスレフポートがあるスピーカーなので、後ろの壁との距離である程度低音の質感を調整できます。

比較的近づければたっぷりとは言いませんが、「お、低音もおこそこしっかりしてるな」ってレベルまではいくと思います。

ただ、その際はなんだか低音域だけ浮いて聞こえるので、どうもこのスピーカーの設計者の思う音ではないのかなと思ったりもしました。

後ろの壁との距離を十分にとって、低音の再現は限られるけど、全体のバランスとして生っぽい音が聴ける。これがこのスピーカーの楽しみ方なのかなって今は思っています。

音量を大きくしていっても、バランスや音質が大きく崩れることはなく、これはさすがに値段なりにしっかりしてるなと思うのですが、別に音量を大きくしていってもあまり楽しめないシステムです。

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それよりは、音量を絞って、何か机の上で作業をしていて、ふと綾戸智恵の声にドキッとする、ソニーロリンズのサックスが手につかめるんじゃないかと錯覚する、そんな楽しみ方がいいような気がします。あ、テクノ系との相性が思いの外いいのと、オーケストラ収録の音源がすごく生っぽくていいっていうのも付け加えておきます。

と締めようと思ったのですが、もう一点このシステムの面白いところを紹介し忘れていたことに気がつきました。

現在はデジタル化された音源をアナログに変換して音にすることが多いのですが、そのデジタル信号をアナログ変換するとき、高音質化する技術としてオーバーサンプリングという手法があります。

専門家でないので詳しくはわからないですが、とにかく高性能デジタルアナログコンバーターチップといえば、オーバーサンプリングです。

やっすいオーディオでも、高いオーディオでも、オーバーサンプリングを自慢しているシステムがほとんどです。

ですが、TD-M1はデフォルトでオーバーサンプリングを行いません。

行えないわけではないです。

設定でオーバーサンプリングをオンにできます。

が、あくまでオフがデフォルトです。

意図は私にはよくわからないのですが、切り替えると確かに違います。

オーバーサンプリングした方が、私が思ってる「良い音」がします。

ですが、生っぽさが失われます。

うまく表現できないですが、何かが間に挟まった感じがします。

多分、普段聞く分にはオーバーサンプリングをオンにした方が心地いいと思います。

ですが、ハッとするような生っぽさが消えてしまいます。

悩ましいです。

さて、支離滅裂になってきたところで、まとめに入りたいと思います。

このスピーカーシステムを人に勧められるかというと、「私は勧められない」と思います。

良い音がする?って聞かれると、「いわゆる良い音だとは思わない」というと思います。

じゃぁ、13万円の価値はないかと問われたら、「十分以上にある」と答えます。

これは、上の二つの答えとは矛盾しますが、このスピーカーの価値はそこです。

ヘッドホンに似ているけど、空間の空気を振動させている、物理的に前方に音源が存在するという意味で、スピーカーであることの価値が存在する。

オーディオは音を正確に再現するべきという理想に向けて、時間軸という視点からそれを徹底追及する。

そこから聞こえてくる、良い音ではなくて生っぽい音、失敗した音、レコーディングエンジニアの意図が伝わる音。

そして、エンジニアが理想主義に走りすぎて、頭でっかちに仕上げた感じのプロダクツでありながら、ちゃんとしてるところ(笑)。

綺麗な音、いい音を聞かせてくれるシステムは他にもいっぱいありますが、あえてこれを選ぶ理由っていうのは、確かに存在すると思います。

そう、GOKISOホイールを選ぶみたいな感じです。

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コメント

はじめまして、楽しく読ませていただいております。
タイムドメインスピーカーいいですね~
大昔の富士通のPCに付属スピーカーでタイムドメインスピーカー付いてた(安い作りのもの)のですが、それでも明らかに違いのわかる音でしたし記憶に残っています。

投稿: 空飛ぶきつね | 2017年4月 1日 (土) 14時58分

空飛ぶきつねさん
コメントありがとうございます。

タイムドメインのスピーカーは面白いですよね。仕組み的に簡素にできるので(というか簡素にした方が有利)、低コストでコンセプトを再現できることもメリットの一つだと思います。

これからも宜しくお願いします!

投稿: 管理者 | 2017年4月 3日 (月) 17時29分

自転車関連のStagesPowerから辿り着いてきました。
私も多少オーディオをやるもので。
TDスピーカーですが是非、サブウファー導入をお勧めします(316sw
)非常に面白いものでかけ離れた場所に設置している低温があたかも小さいタマゴから鳴っているように聞こえるんです

投稿: yamagm32 | 2017年4月14日 (金) 10時41分

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