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VOLVO S60 T5 SE に 乗ってみました

いつもお世話になっているV60がちょいと調子が悪くなりましたので、修理に出しておりました。

そちらの話はまた今度ということで、先に代車として貸していただいた、S60について書こうかなと思います。

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S60はV60との兄弟車で、Sがセダン、Vがワゴンです。

グレードはT5 SE 2016年モデルです。

私のV60との大きな違いは、セダンとワゴンであることですが、実はそれ以上にパワートレイン系統の違いが大きいです。

私のV60は2015年モデル、最後の直列6気筒搭載モデルですので、旧世代。

対して、こちらはガソリン直噴の直列4気筒モデルで、VOLVO最新のパワートレインです。

VOLVOが今後を託した、新世代のパワートレインです。

さて、インプレです。

パワートレイン

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直噴4気筒で8速オートマチックトランスミッション。

エンジンルームはやはり、6気筒モデルと比べると、すっきりしてます。

下の写真は私の車です。

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エンジンルームの隙間がかなり違います。

4気筒ですが、音の面では若干残念です。

外では少し耳障りな音がします。ディーゼルほどではないですが、燃料系統の音が結構耳につきます。

その反面、車内では、非常に静かです。

アイドリングでの音の侵入や振動は非常によく抑えられており、アイドリング時のエンジンの存在感は、旧世代の6気筒の方が大きいです。

常用の2500回転くらいまでは、ほとんどエンジンの存在は感じません。良くも悪くもです。

回していくと、それなりに音量は高まりますが、音質、音量、振動ともによくチェックされている感じです。

音の質感は、スポーティーな4気筒の音というよりは、どちらかというと、重厚感を押し出した、ディーゼルの加速音に近いような感じです。

T5ですと、245馬力、トルクも350Nmもありますので、どんな状況でも余裕があると言っていいと思います。

最大トルクを1500〜4800回転の間、フラットに発生し続けるので、まぁどんな状況下でも困ることは、ないと思います。

が、このフラットトルクの関係か、回していっても、いまいちドラマがありません。

パワフルで、回転も上までそれなりに回りますが、あくまでエンジンが主役という感じではありません。

レスポンスも申し分なく、ターボラグはほとんど感じませんでした。

ただ、アクセルのレスポンスとは違った意味で、一旦アクセルオフしてから、もう一度踏み直すような場面では、若干の遅れを感じることもありました。

やはり、エンジンの回転のフィーリングや、加速時のエンジン音は直列6気筒の方が良いです。加速、それ自体がドラマチックに感じます。最新の直噴4気筒でも、やはりその面では全く歯が立たないと思います。

トランスミッションは非常に優秀です。

アイシンの8速オートマチックトランスミッションです。

タコメーターを見ていない限りはいつ変速しているのかが掴みにくいくらい、スムーズです。

また、ロックアップ領域が広いのか、ダイレクト感もなかなかです。

が、キックダウンを行うまでではないんだけど、少し強めに加速したいときなんかにも、細かくギアが変わってしまい、結果としてCVTのような、アクセル開度と加速がリンクしないように感じることもありました。

パドルをマニュアル操作してエンジンブレーキを効かせたいときにも、1速落としたくらいではほとんどエンジンブレーキがかからず、2速、場合によっては3速落とさなければならない等、多段階かもいいことばかりではないようです。魂の16連射を身につければいいだけの話です。

エンジンと、トランスミッションの印象からすると、エンジンの存在をなるべく感じさせない、そんな味付けを目指しているのだろうなと思います。

T5は前輪駆動車なのですが、出力に対して、タイヤ性能では賄えていない印象を受けました。

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235mm幅のミシュランパイロットスポーツ3をもってしても、ドライ路面ですら加速時にホイールスピンを起こしてしまいます。

トラクションコントロールが介在するほどではないのですが、このくらいの出力になると、前輪駆動では若干厳しい印象を受けます。

思った以上にじゃじゃ馬でした(笑。

ハンドリング

直列4気筒のメリットは、やはり前輪の荷重が軽いことで、ハンドリングも前が軽いんだろうなということを明確に伝えてきます。

また、ワゴンボディーと比較すると、やはり重心の低さと剛性の高さを感じ、総合して非常にすっきりとした印象を受けました。

電動パワーステアリングですが、少し違和感を感じました。
電動ポンプ駆動の油圧パワーステアリングの私のグレードと比較すると、微力操作した時に、若干ですが不自然なパワーアシストを感じますし、同じ電動パワーステアリングのT32型エクストレイルに比べても、少し不自然な感触が残ります。
微力操作した時以外は、非常に素直な反応を示し、路面のインフォメーションやタイヤの切れている向き、タイヤからの入力をよく感じることができ、インフォメーション面では、エクストレイルよりも優れていると感じました。

電動パワーステアリングのフィーリングはもう少し改善してほしいですが、横置きのFFベースの車として、直列6気筒よりも、直列4気筒の方が、バランスとしては優れていて、ハンドリングの面では、圧倒的に4気筒に軍配が上がります。

安全装備

安全装備には大きなアップデートはないようですが、VOLVOの車両なので、各種エアバッグが標準装備なことはもちろんですが、レーダーとカメラ、レーザーを複合したプリクラッシュセーフティーシステムは、安心感があります。

私の車両と大きく違う点は、私の車ではレーンから外れた時に音で警告してくれるのみですが、この車両では、車線を保つように穏やかにステアリングに介入して操作してくれたり、ステアリングを振動させ警告してくれるようになりました。

実際に使用してみると、まず、白線の検知を左右で独立して行っていることに感心しました。

とはいえ、「あ、こっちの白線は検知していないからはみ出さないように注意しよう」とか、「こっちの白線は検知しているからよっても大丈夫だな」なんて思う場合は、そもそも白線をまたぐことはないと思いますので、その表示がどれだけ意味があるかわかりませんが、「ちゃんと認識しているんだな」という安心感はあります。

レーンキーピングの体験は正直出来ませんでしたが、ステアリングの振動はわかりました。

しかも、その際に踏んでいる白線がメーター上では赤く点滅して警告されるので、何が起こっているかがわかりやすかったです。

こういったプリクラッシュセーフティーに関して、同じようなシステムを採用している車には何車種か乗ったことがあるのですが、実際に乗ってみると、車種やメーカーごとに安心感が違います。

その安心感は、例えば白線を認識しているかどうかがメーターパネルに表示されていたりとか、車間の警報システムが見やすかったり、警告音の音量や音質、タイミングが適切だったり、オンオフが独立したスイッチで用意されていてオンオフが視覚的にもわかりやすいなどの、非常に細かいけどもそう言った配慮が、かもし出しているのだと思います。

プリクラッシュセーフティーに付随したシステムの、レーダークルーズコントロールは非常に便利ですが、まだトランスミッションやブレーキとのなじみが良くないのか、少しギクシャクした印象がありました。

これは、もう少し乗り込むと良くなるかもしれないです。

VOLVOは昔から安全性にこだわった会社で、それは資本が変わった今でも、こだわりとして受け継いでいるようです。

最近導入されたスモールフラップ衝突に当初からいい成績を残したりなど、安全基準を満たすための対策ではなく、きちんと実際に効果がある安全対策をしてきているところは、やはり、VOLVOです。

安全性でVOLVOを選ぶというのは、今でも通用する文言だと思います。

燃費等

燃費は、通勤に使用し、合計70km程度の走行で、平均で10km/Lにわずかに届かないくらいです。

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エンジン音を聞くために不自然に高回転域にしたりとか、強目の加速をしたり、渋滞にはまったり等のことを考慮すると、かなり良好だと思います。

おそらく、私の車で同じような運転をしたら、6km/Lくらいだと思います(笑。

丁寧に、ある程度の距離を運転した場合、カタログ燃費くらいは行くだろうなと、想像ができます。

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さて、このエンジンでは、アイドリングストップが付いていますが、これの出来があまり良くないです。

特にエンジン再始動時のレスポンスと振動が大きいです。

エクストレイルは、オルタネーターを使用してエンジンを再始動しており、これがレスポンスの良さと、振動の少なさにつながっていますが、あのセルのギアが噛む音がしないだけでも、こうも再始動の時の不快感が違うものかと思いました。

エクストレイルは、アイドリングストップを常用してもエアコンが効かなくなる以外不満はなく使用できますが、S60のシステムでは、正直アイドリングストップはあまり使用したくなかったです。

アイドリング時の振動と音がよくチェックされているから、エンジンがかかっていても純分静寂が保たれ、それほど気にならないということも、アイドリングストップが煩わしく感じてしまう理由かもしれないです。

レーダークルーズコントロールを使用している時は、アイドリングストップが働かないようです。

もう一つのエコ系目玉ですが、ECOスイッチが付いています。

これを押すと、どうなるかというと、エアコンの効きが極端に悪くなります(笑。

また、一定速度で走っている際に、エンジン出力が必要ないと判断されると、ニュートラルに切り替わり、アイドリング回転数までエンジン回転が下がり、燃料消費と振動が抑えられます。

コースティングと呼ばれる機能で、いつ切り替わっているかは、メーターを見ていないと気づかないこともあります。
よく見ていると、結構細かくつないだり切ったりしていますし、下り坂なんかでエンジンブレーキが必要そうなところでは、きちんとエンジンをつないだりしており、なかなか芸がこまかいです。

ただ、この機能もクルーズコントロール中はキャンセルされます。

あと、ECOスイッチを押すと、通常よりもギアが一段高いところに入るようです。

そして、なかなかギアが下がりません。

おそらくストットルの感度が落とされていることと相まって、かなりもっさりした印象となるとともに、加速時に若干振動とこもり音が気になる場合がありました。

このパワートレインでは、アクティブノイズキャンセル機能が付いているかは確認ができていませんが、あまり色気のないエンジン音の演出も含め、もう少しその辺も考慮してもいいのかなと思いました。

ECOボタンを押したまま、シフトをスポーツモードに入れるとどうなるんだろう?と思い、やってみましたが、その場合は、エアコンのみがエコモードで、他はスポーツモードとなるようです。

短期での体験ですので、モードの違いによる燃費の違いを計測することは、していません。

まとめ

VOLVOが今後を託す新生代の4気筒エンジンは、正直思ったよりも良かったです。

ただ、アイドリングストップに関しては、改善が必要だと思います。

今後はプラグインハイブリッド等の電化の波も訪れてくると思いますので、直列4気筒エンジンは、その存在を極力消していく(エンジンの存在を感じさせない)方向での開発になるのかなと想像ができます。

と、思っていたら、ツインチャージャーを採用した、過激なT6用のエンジン(306馬力、トルク400Nm)を作ったり、ポールスターに至っては、367馬力470Nmと、さらに過激に。

ここまでいくと、エンジンを黒子にするなんてことは(でき)ないと思いますので、こちらの方もとても興味があります。

もう4気筒以上は作らないと公言しているVOLVOですが、新世代の4気筒エンジンが思った以上に良かったと思っている私から勝手なことを言わせてもらうと、

「ぜひ、新世代の直6を作ってください。」

…です。

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最後に、素晴らしい車を代車として貸していただき、ありがとうございました。

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