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チューブラータイヤの空気圧設定テスト(Veloflex Recordを使用して)

はじめに

前回の比較、GOKISOホイールを使用すると上り坂でタイムを縮めることができるのか〜Lightweightとの比較 〜(ひとまずの結論編) で比較を終えるつもりでしたが、いろいろと疑問が湧いてきたのも事実です。また、twitterやコメント経由でいろいろとアドバイスをいただきました。
ありがとうございます。

その中で、あらゆる条件が違いすぎて、何が変化をもたらした要素なのかがわからなくなってしまっているという事がありました。
そういった事を含めて、どっちが結局速く走る事が出来るのか?という趣旨のテストでしたが、確かに一つ一つの要素を細かく検証していかなければいけない気はします。

私が考察した中で、タイム差を生んだ最も大きな要因は「空気圧の差」でしたが、自分でもこれに関してはもやもやしています。
とりあえず、推奨空気圧の中間付近で空気圧を設定しましたが、これがベストとは限らないかもしれないです。

私の今までの経験則なのですが、「チューブラータイヤは空気圧を落としても転がりが重くなりにくい」っていう事があります。

「路面が荒れていると空気圧を落としたほうが良いらしい」という噂も知っています。

「細いタイヤは空気圧変化に敏感だ」

これと、先の比較テストでの結果の考察材料として、Veloflex Recordを使用して空気圧のテストを行いました。

比較方法

使用コース:

比較に使用するコースは、新潟ヒルクライムの2014年度のコースの一部を使用します。

スタート位置は残り5km地点、

ゴールは残り2km地点(6号目看板)までを使用します。

Img_3831

タイヤによる距離の計測、気圧高度計による測定となりますので、若干の誤差を含んでいるものと思いますが、

距離:3.00km
標高差:243.6m

です。

途中、斜度の若干の変化はありますが、平坦や下の区間は一切ない、登りっぱなしのコースです。路面はドライでした。

タイムの測定は、それぞれスタート、ゴール地点で明確に分かる線(新潟ヒルクライム時にペイントされていた線)を基準とし、その線をフロントタイヤが踏んだ瞬間を、ライダー(私)自身がLapボタンを押すことにより計測されます。

GPSオートラップは使用しておりません。

白線を参考に、白線から10〜50cmの位置を走行するよう心がけ、可能な限り、走行距離に誤差がないようにしました。

計測する項目

今回は、出力を一定とした際のタイム比較として行いました。


タイム、および出力のみを計測し、平均出力:200W(190〜210Wの間で調整するよう心がける)としました。

これは、私が複数回安定して登れる出力かつ、パワーウェイトレシオで4.0kg/w程度となる数値です。

また、走行本数は8本としました。

1,2,5,6本目を空気圧9.4barに設定、3,4,7,8本目を空気圧8.0barに設定しました。

空気圧を変更するのは後輪のみとしました。

使用機材

フレームはCAAD10(2012モデル)を使用し、メインコンポーネントは105。

チェーンリング、スプロケット、チェーンは同様のものを使用、駆動ロスによる誤差を防ぐため、チェーンはインナー・ローで固定、変速は行いません。

パワーメーターはPOWER2MAX TYPE Sを使用。

毎回のテスト前にキャリブレーションを行いました。

ホイールとタイヤ

 

今回の検証では条件をより絞るために、ホイールは交換せずに、リアタイヤの空気圧のみ調整して、試験を行うこととしました。

前輪
GOKISOロードハブ、前後30mmワイドクリンチャー2014モデル、約5ヶ月日常的に使用
タイヤ:ミシュランPRO4 SC 前25mm チューブ:MAXXIS FLY WEIGHT

※空気圧は 7.4barで固定


後輪
Lightweight Ventoux190(2011モデル)
タイヤ:後Veloflex Record 22mm

Img_3948

Img_3928

接着方法:リムセメント(貼り付けはショップに依頼)
※空気圧は9.4barと8.0barで本数毎に設定

Img_3929
リアホイールスプロケット込み重量(クイック含まず):987.5g

空気圧は同様のゲージを使用し、設定。

比較した条件および重量

Img_4152

車体重量8.2kg、ライダー体重51.8kg

※ライダー重量は装備類を着用した状態での計量。また、走行時の脱水の影響と思われる体重減少を補うために、バックポケットにボトルおよび工具を入れて、体重が変化しないよう配慮しました。

結果

結果を表にしてまとめました。

全体の平均

20150614_182307

9.4bar群のみの平均

20150614_182322

8.0bar群のみの平均

20150614_182333

サンプル数が不足していますが、平均値の差の検定で、両群のタイムはP>0.1、出力はP>0.1と有意な差は認めらないという結果が出ました。

考察と感想

前回のテストと全く同条件ではないという事(主に気温)という事を考慮しても、ライダーの重量差が200g軽いだけ(今回のコースでは重量差のタイムへの影響は2秒前後)で前回の比較とほぼ同じタイムが出た事は、私にとっては胸をなでおろす結果でした。

それはともかくとして、結果は少し意外なものとなりました。

タイムに少し差がついてしまっていますが、これは9.4barの数値のばらつきが大きかった事を考慮すると、差が全くなかったと言っても良い結果だと思います。

私にとっては、8.0barでも9.4barでも同じタイムが出るという事です。

9.4barのほうが転がりが良い区間もあるのだとは思いますが、8.0bar以上入れても乗り心地が悪化するだけで、メリットが私にとってはなかったという事だと思います。

実際、乗り心地は両者でかなり違い、9.4barだとアスファルトの凹凸がかなり気になる感じでしたが、8.0barではアスファルトのざらつきは全く気にならず、快適な乗り心地でした。

それだけタイヤが跳ねていないという事なのだと思います。

ダイロコースを走った事がある方ですと、ご存知だとは思いますが、ダイロは比較的路面が綺麗なコースです。

そこにおいても、私にとって、8.0bar以上入れても意味がないという事でした。

逆に考えると、22mmという比較的細いタイヤながら、8.0barであの路面で転がりが落ちないというデータが取れた事は、私にとって収穫が大きかったです。

経験的に私がこのタイヤを使用した場合、後ろ8.0bar付近が一番乗りやすかったように思うのですが、指定空気圧が9.0-10.0barという事で、常に高めにしてイベントに挑んでいました。

これで自信を持って、後ろ8.0barに設定します。

もちろん、空気圧設定は体重によって変わります。

軽量級な私のテストですので、参考にならない方がほとんどだと思います。

ですが、何かのヒントになっていただければ幸いです。

最後に

「タイヤ(やハブ)の転がりを比べるのであれば、空走距離を調べたり、下り坂の検証を行ったほうが良いのではないか」という意見を多数いただきました。
私も、単純にタイヤの転がりテストやハブのテストを行うのであれば、その方法が適切だと思います。

ですが、そういったテストであれば、逆にテスト用の機械を製作して、そこで検証するほうが正確で、良質で、量もたくさんデータが取れると思います。
また、そういったデータでしたら比較的容易に見つける事ができます。

自転車の場合は、人間がペダルを漕いで、荷重がかかる瞬間と抜ける瞬間、トルクがかかる瞬間とかからない瞬間があり、しかもフレームのたわみや、バランスをとるためのハンドル操作により、蛇行しながら進んでいきます。
この状態での転がり抵抗が非常に重要で、これを調べるには現時点では人間が実際に乗るしかないのだろうと思っています。

今回の結果は、単純に比較してはいけないとはいえ、クリンチャータイヤにとってはあんまりいい結果とは言えなかったかもしれないです。
なぜなら、チューブラータイヤのメリットを、前回の考察では"高圧で使えるから”としましたが、今回の結果から、クリンチャータイヤと同等の気圧だったとしても、私の場合は差が変わらなかった可能性が高いという事になるからです。

ただ、クリンチャータイヤにおいても、もしかしたら空気圧の設定が高すぎたのではないかという可能性も考えられます。

同じクリンチャータイヤでの空気圧の変化による転がり抵抗への影響、同じ銘柄で太さを変えたらその傾向がどう変わるのか、結局登りで太いタイヤと細いタイヤどっちが有利なのか。

それも、今後検証していきたいと思います。

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コメント

毎度楽しみに拝見させていただいています。
僕もチューブラーとクリンチャーとどちらが優れているのか分からなくて、いつも悩んでいるのですが、今回も面白い内容ですね。
良かったら、今度ゴキソの方の空気圧を7.0bar代で試していただけないでしょうか?
自分は182センチで73キロの体重なんですが、8bar以上使うことはありません。スーパーソニックも8.0bar以上入れるとちょっと疲れる印象です。

投稿: コウイチ | 2015年6月14日 (日) 20時25分

コウイチさん
コメントありがとうございます。

その身長でその体重!!すごいです。羨ましいです。
クリンチャーの場合、指定空気圧以下で使うのはちょっと怖いので、スーパーソニックでは今の所8bar以下でテストする予定はないです。すみません。
他のタイヤを使ってクリンチャータイヤの空気圧や太さを変えるとどうなるか?というようなテストはしてみたいと思っています。
少し先になるかもですが、テストしたらブログにアップします!

投稿: 管理者 | 2015年6月15日 (月) 12時41分

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