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ヒルクライムは体重が重い方が有利です。

いきなりだが、注釈がつく。

それは、”パワーウェイトレシオが同じならば”だ。

当たり前の事なのだが、パワーウェイトレシオだけで物事を考えていると見落としやすい。

特に、”パワーウェイトレシオがそのまま実力”と受け止められがちなヒルクライムでは、注意が必要。

では、分かりやすく例をあげて検証してみたいと思う。

例としてあげるのは、体重が50kgと60kgの選手。
どちらも、大会によっては年齢別で入賞を狙えるラインのパワーウェイトレシオ4.5kg/Wで設定。

まずは、機材を含めたパワーウェイトレシオ。

機材は、UCI規定に従って、自転車は6.7kg。ウェアやシューズ等は1kgとして計算。

Photo

※表の単位に誤りがあります。正しくはkg/Wとなります。

これを見て言える事は、体重が重い方が、機材がパワーウェイトレシオに与える影響が少ない。

当たり前だか、影響は結構大きい。

たった0.09W/kgにと思われるかもしれないが、とんでもない。

仮に、機材を含めたパワーウェイトレシオをあわせようと思うと、50kgの選手はあと5W必要。

FTPでの5Wは大きい。

ヒルクライム計算で、この選手の乗鞍シュミレーションをすると、この5Wでタイムが1分も違う。

つまり、体重の軽い選手は、装備(軽量化)に対してよりこだわりが必要になる。

今度は、空気抵抗が与える影響についてを考える。

計算にはヒルクライム計算を使用。

ヒルクライムレースでもコースは様々。

平均斜度や速度も違えば、上りっ放しだったり、途中平坦があったり、下りがあったり。

比較する項目は、速度ごとに、巡航に必要な出力(斜度の影響を無視して、ただ単にその速度を保つのに必要な出力を計算)、その出力中空気抵抗が占める割合、FTPでの割合。

なお、10km/h・15km/h・20km/hは上ハンドルを握った位置、30km/h・40km/hでは下ハンドルを握った位置でのパラメーターを使用。

2

※表の単位に誤りがあります。正しくはkg/Wとなります。

この結果を見ると、圧倒的な差を感じる。

ヒルクライムレースで最も多い平均速度20km/h程度のコースでも、50kgの選手に比べて、60kgの選手はFTPに対する空気抵抗(が主になる)の影響が3%も小さい。

擬似的にその差を出力に変換すると、なんと50kgの選手の出力で6.8W程度。60kgの選手が感じている空気抵抗は、50kgの選手が感じている空気抵抗よりも、6.8W分も小さく感じている(事になるのかな?)。

当然、平均速度の高いレースになればなるほど、同じパワーウェイトレシオならば体重が重い選手の方が有利になる。

FTPに対する割合にさらに注目。

40km/hはヒルクライムでは希だが、例えば、平地で巡航するような場所があった場合、これくらいの速度に達する事がある。

40km/hで巡航する場合、60kgの選手はほぼ100%で済むが、50kgの選手は117%。

これは圧倒的に違う。

FTP以上の運動と以下の運動では体に与えるダメージが全然違う事は、パワートレーニングをされている方ならば、実感するところだろう。

つまり、パワーウェイトレシオが同等でも、軽い選手は、コースによって成績が大きく上下する可能性が高い。

空気抵抗の影響が少ない、激坂系で斜度の変化の少ないコースは良いのだが、斜度が緩かったり、斜度の変化の激しいコースでは全く勝負にならなかったりする。

斜度の変化が激しいコースだと、激坂区間では、パワーウェイトレシオが物を言うので、互角に走れても、緩斜面区間でパワーが高い重い選手にやられてしまう。無理について行こうとすると、緩斜面でインターバルがかかったようになって、さらに苦しくなる。

これは、私が実感するところだ。

今回の数値は、擬似的なもので、フォームや体格、機材による差が考慮されていないが、少なくとも体重が軽い選手は、重い選手よりもフォームや装備に気をつかなきゃいけない事は確かだ。

また、雨が降ると、装備が重くなる。これも体重の軽い選手にとっては、より不利になる可能性が高い。

私は、今シーズン体重を軽くする事で、パワーウェイトレシオを稼いでいた。

この方法に限界がある事は、嫌という程実感させられた。

結局は、純粋に出力が必要と言う事を突きつけられる。

来シーズンに向けて、出力を増やす事を最優先にしたいと思う。

一番難しいが。

少なくとも、今シーズンのように、目標のパワーウェイトレシオに入れるために、46kg台とかに入れなくても良いようにしたい。

体重50kg程度で、パワーウェイトレシオが維持出来れば、かなり目標に近づける。

頑張ろう。

とりあえず、体重だけは先行投資で増やしておいた…(汗)(←駄目ぢゃん!)。

それとは別に、あらためて空気抵抗の影響の大きさを実感した。

なんと時速15km/hで全抵抗の50%以上が空気抵抗になっている。

私が、ヒルクライムでもエアロスーツ着たり、エアロヘルメットかぶったり(←時にはただの防寒着だったりもする)と言うのは、無駄ではなかったのだと。

…そう思いたい。

最後に、もちろんヒルクライムでは、軽さはアドバンテージである事は、言うまでもない。
軽さだけの私がそこそこの成績を残せている(といっても大した事無いけど(涙))ことで、証明出来てると思う。

回りくどく、くどくど書いてきたが、”結局は、パワーがある方が有利ですよ”という当たり前な事を書いただけの記事です…(汗)。

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コメント


大変面白いお考えですが、4.5kg/Wでは無く、4.5W/kgではありませんか?
Power-to-Weight Ratio

投稿: | 2015年8月27日 (木) 14時20分

コメントありがとうございます。

ご指摘の件、まったくその通りでございます。
お恥ずかしい限りです。
表の訂正は元データがなく、作り直しが面倒なため、注釈で訂正を、本文中は訂正をいたします。

誠にありがとうございました。

投稿: 管理者 | 2015年8月27日 (木) 15時38分

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