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もうBBは車種毎に違うと思った方が良さそうです。

昨日取り上げたBHの新車だが、スペックを見て行くと気になる点がある。

BBがBB386(EVO)という規格らしい…。

なんじゃそりゃ?

ただでさえ百花繚乱のBBの規格に、また新しい規格が参入してきたよう。

で、BB386の規格がどんなもんかというと、まず、アクスルの直径が30mm。
この辺はBB30をベースにしたんだろうな。
BBの横幅が86mm。
使用するBBはプレスフィットBB30(PFBB30)。

うううううん。

まず、PFBB30。
BB30はフレーム側にベアリング受けを作らなければならず、工作精度の問題等で不利になる面があり、それを解消するために考えられたらしい。
PF30だとフレームはただの筒で良い。
PF30は横幅68〜86まで対応との事。
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↑FSAのPFBB30かな?この前予想した重量より少し重かったなぁ。

SUPERSIX EVOはPFBB30を使用しているが、クランクが今までのHOLLOWGRAM Si SLだから、恐らくBBの横幅は68mmなんだと思う(←実物見てないから不確実)。
それで十分剛性が出るとふんだんだろう。


そもそも、なぜこんなにBBの規格が出てきたんだろうと考える。

それは、フレームのBB周りやクランクの剛性をあげたかったからである(もちろん軽量化もね(さらにベアリングの負担の軽減なんかも理由にあるらしい))。

BB(クランク周り)の剛性をあげようと思ったら、軸を太くするか、ベアリングをなるべく外側に押し出すのが有効。

軸を太くしたのがアクスルの直径が30mmのBB30。こりゃ、考え方がシンプル。でも、使用するフレームが専用じゃなきゃいけない。



ベアリングの幅を広くとっているのが、SHIMANOのHOLLOWTEK Ⅱやカンパのウルトラトルク達

これは従来のBBの外側にベアリング(とそのアダプター)を取り付ける事によって剛性を稼いでいる。これは、今までのフレームを使える。

で、これらのシステムだとだいたいBBアダプターの両端は90mmになるらしい。

従来のBBに、外側ベアリングとアダプターを付ければOKだが、それじゃ何か余分なもん付けてるようでもったいなくないか?と思ったのが、BB86やBB90。

アダプターの分フレーム側のBB受けの横幅を広くしたもん。フレームに直接ベアリングを打ち込むか(BB90)、プレスフィットのBB(BB86)を挿入する。
合理的っちゃ合理的。クランクもSHIMANOのHOLLOWTEKやそれに合わせた物が使える。

これら方式の問題点は…。Qファクターを狭める事が結構難しい
SHIMANOはQファクター結構広めになっちゃってる(デュラエースで146mm)
。カンパ(145.5mm)とスギノ(145mm)は頑張ってるけど。

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その分BB30はBBシェルの幅自体は68mmで以前のまんまだから、Qファクターをかなり狭める事が出来る(←実際にはそんなに狭くならないのだが(汗))。
キャノンデールのHOLLOWGRAM Si SLは、さすがにBB30専用設計だけあって、Qファクター143mmとかなり狭い部類になる

ちょっと話はそれるが、キャノンデールのホログラムのクランクは剛性が無いって話を良く聞くが、このページによると、剛性はかなり高いみたい。剛性が無いのは、超軽量パーツメーカーもびっくりするくらい軽いチェーンリングかもしれないが…(汗)。出典はここ。実際リクイガスでもホログラムのクランクにSRAMとかFSAのチェーンリングを組み合わせる事が多いもんなぁ。

BB30でもQファクターが小さくないクランクがある
例えば、FSAのK-Force Light BB30(147mm)、SLK Light BB30(147mm)。
ちょっと気になって、HOLLOWTEKのFSA版規格と言えるMEGAXSO規格の同等品を調べてみると…。
FSAのK-Force Light MEGAXSO(147mm)、SLK Light MEGAXSO(147mm)。

一緒…。まさかとは思うけど、あのくそ高いクランクセットなのに、BB30とMEGAXSOで融通出来るように最初から妥協した設計にしてるんじゃ…(←でも、最初からBB30専用設計にしてないんだったら、確かにBB386を押す意味があるわなぁ。そりゃ。MEGAXSOのクランクセットのアクスルを30mmアクスルに差し替えれば「はいっBB386用クランクセットの出来上がり!」となる訳だ…)。

ちなみに、FSAでもGossamer Proだと、BB30が144mm、MEGAXSOが147mm、EnergyがBB30が146mm、MEGAXSOが148mmとちゃんと違う。

今のところ、FSAはK-Force LightとSLK LightでBB386規格を始めるらしいのだが、偶然にもこれはBB30とMEGAXSOでQファクターが同じクランクセット。怪しいなぁ…


またまた話がそれてしまったが、話をもとにもとすと、BB30でも剛性に不満が出てきた(もしかしたら、別の問題かもしれないんだけど)フレームビルダーが出てきたと。

まず先陣を付けたのが、CerveloのBB Right

BBシェルの横幅を広げるのだが、ただ広げたんじゃHOLLOWTEK達と同じ問題が出てくる。

右はギアの分クランクが外に押しやられるが、左はギアが無い分余裕がある。通常は左右対称にするため、左クランクは外開きになってしまうのだが、この外開きの分、BBシェルを張り出させたのがBB Right。

だから左右非対称だし、シェルの横幅が79mm。

これは、賢い。Qファクターは右クランクによって決まるもんだから、右はBB30オリジナル規格のメリット、左はBBシェルをワイドにするメリットのおいしいとこどり出来る。

この規格なら、今までのBB30クランクの、軸と左クランクを専用設計にすればBB30の頃のQファクターを保てる。

この規格かなり合理的だなぁと関心。


で、最後にBB386

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このBBシェル。幅は86mmで左右対称(←ダウンチューブ自体が左にオフセットしてるから一見非対称に見えるけど車体の中心に対してBBシェルは左右対称)。ってことは、HOLLOWTEKと同じ問題を抱える。つまりQファクターを小さくする事が難しくなる。

ちまにみ、FSAによると、BB30だと左クランクをナナメにしなきゃいけないからその分剛性でも重量的にも不利だと。それを解消するにはBB386だと。
個人的にはそんだけの理由だったらBB Rightが良いじゃんと思ってしまう。BB386と違って、右クランクを外に押しやらなくて済むんだから。

この規格の良い点は汎用性が高い事。
何てったって、30mmアクスル群の中で一番長いアクスルを持っている。(長さはBB386>BB Right>BB30)

ってことは、BB386のクランクはアダプター(スペーサー)さえかませればBB RightにもBB30のフレームにも使える。

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さらに、この写真のようにスタンダードなBBシェルのフレームにも30mmアクスルが使える!

「どうせBB30専用設計のクランクを作ってもたいしてQファクターが狭くなんないんだったら、アクスルの長さをHOLLOWTEK達と一緒にして、その分アダプターかませるか、BBシェルの幅を広げてあげた方が、フレームの設計の自由度や汎用性が増すから合理的じゃん!」
って言われたら、「そうかも」
と思ってしまう。

まとめると、
従来のフレームに互換性を持たせながら剛性アップ狙ったのが、HOLLOWTEKやウルトラトルク達。

フレームもクランクも自前で作るキャノンデールが汎用性とか考えなく作ったのがBB30(←でも横幅はなぜか保守的)。でそれを業界標準にしようと頑張ってみた。

BB30の改良をフレームビルダーの側から試みたBB Right。

クランク制作者の立場から30mmアクスルクランクの汎用性を高めようとしたBB386。

ってな感じか。

ただ、ここに書いていないフレームメーカー独自のBB規格もあるし、もう、BBやクランクセットはフレーム専用システムだと思ってた方が、良さそうだ(汗)。

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コメント

初めまして、50歳になってBIKEに目覚めたchocoaと申します。BB30のクランクを手に入れましたので、ちょうど私のMTB(BBシェルはJISの68mm)何とかして取り付けたいと昨今PCで情報を探していたところ、天の助けか?あなた様のブログ記事に出会いました。「この写真のようにスタンダードなBBシェルのフレームにも30mmアクスルが使える!」と写真つきでありました。その後あちこち調べましたが、そのBBが解りません。お手間取らせて、ご迷惑をお掛けしますが教えて頂けたら幸いです。宜しくお願い致します。

投稿: chocoa | 2013年9月23日 (月) 02時09分

chocoaさん
コメントありがとうございます。

私は、MTBにはあまりくわしくないですので、その点ご容赦ください。
質問への答なのですが、MTBのBB30クランクセットですと、JIS規格へのBBへのインストールは難しいのではと思います。

ロード用のクランクセットですとROTORのクランクはJISのBBでも装着出来るようです。参考リンク→http://www.diatechproducts.com/rotor/bsa30.html

また、FSAのBB386クランクもJISBBに装着できるようです。参考リンク→http://www.fullspeedahead.com/products/783/MEGAEVO

ただ、クランクとBBはメーカーによってかなり自由に作っているよう(これが混乱の原因です)ので、上の二つのように場合によっては対応している場合もあるかもしれないです。

クランク製造メーカー(もしくは卸問屋)に聞くのが一番確実かと思います。

あまり参考にならないかもしれないですが、よろしくお願いいたします。

投稿: 管理者 | 2013年9月24日 (火) 08時59分

こんにちわ、是非、教えてください。
私はBB386(86.5×45)のフレームにCANNONDALE HOLLOWGRAM Si SL2 を付けたいのですが可能でしょうか?その場合、何を購入したらよいでしょうか?お願いいたします。

投稿: charlie | 2014年6月12日 (木) 10時11分

是非教えてください。
BB386(86.5×46)のフレームにCANNONDALEのHOLLOWGRAM Si SL2を装着したいのですが可能でしょうか?その場合、何を購入すればよいでしょう?
よろしくお願いいたします。

投稿: charlie | 2014年6月12日 (木) 10時14分

charlieさん
コメントありがとうございます。

私の知る限りだと、BB386へのHOLLOWGRAM Si SL2の取り付けは不可能だと思います。

物理的にBBシャフトの長さが足りないです。

何種類かシャフトの長さはラインナップがありますが、BB386対応の長さは無かったと思います。

アルミの精密加工をやっている業者等に、シャフトのワンオフ製作を依頼すれば、不可能ではないかもしれないですが、その場合でもチェーンラインがずれてしまう事や、Q-ファクターが広くなってしまうので、現実的ではないように思います。

キャノンデールを扱っているショップにて確認していただくと一番確実かと思います。

お力になれず、すみません。

投稿: 管理者 | 2014年6月13日 (金) 12時57分

初めまして、元クランクメーカー勤務のkazと申します。宜しくお願いします。
Qファクターは諸説有りますが、自分に合う幅を見つけるか、既製に合わすかの何れかになると考えています。
トラック用クランクは言われているとおり135mm前後ですが、これは長年このサイズで、変える理由もない、と言うことと、エンド幅が120mm、タイヤも細いのでチェーンステーの幅も狭いためQファクターも狭くできると言うことです。
競輪選手でも自分は広い方が良いので、同じ物でも出来るだけ広いのが欲しいと無理なこと言う方もおられます。
以前、世界選手権向けに日本が作ったカーボンフレームで、BBシェル幅を限界まで狭くしてディスクホイール使用を前提にQファクターを限界まで小さくした物を作ったことがありますが、あまり芳しくなかったとも聞いています。

クランク屋は既製フレームに合わせて設計するので、チェーンステーとのクリアランスを考慮するとあまりギリギリは狙えなくなります。結果140+αmmになる、と言うことです。
リーズナブルなクランクは高価な材料が使えないので、クランク自体が厚くなる分Qファクターは広がります。

30mm径のシャフトは軽く強くアルミを使いたい、の要望からだと思うんですが、Qファクターとは直接の関係は無いです。
MTBで30mm径シャフトを使うクランクはhttp://bythehive.com/e-thirteen/trs-enduro/trsp-cranks/ が有りますので、参考まで。

元はと言えば、トムリッチーが言い出したQファクターですが、彼の考えはMTBもロード並のQファクターにしたい、ということだったのですがね。

記事を参考にさせていただいたので、つらつらと駄文を書きましたが、参考になればと思います。

投稿: kaz | 2014年7月11日 (金) 14時16分

kazさん
コメントありがとうございます。

ありがとうございます。
凄く勉強になります。

Qーファクターに関しては、骨盤の幅(大体骨頭のペダリング中心)や膝、足首の使い方、クリートセッティング、ペダリング時に使用する筋肉、バランス等に左右されそうなので、難しいですよね。

フレームの設計、変速機の都合、素材の進化、変化でどう言う風にクランクの設計が変わって行くか、楽しみです。

最近キャノンデールがMTBでやってきた、リア三角そのものを右にオフセットする設計。これをロードに取り入れるのかどうか、凄くワクワクしながら見ています。

投稿: 管理者 | 2014年7月12日 (土) 19時43分

参考になれば何よりです。

リヤ三角を右にオフセットさせる!
以前にもそんな論議がありました。
左右対称にエンド広げるのも、右だけ広げるのも大差ないと、ただフレームが非対称になるので、その辺のすりあわせは難しい云々でした。

自社レベルで対策できるメーカーなら良いんですが、チェーンラインと、トランスミッション系が既製品では上手く行かない可能性があるので難しいです。

以前、コンピュータ強度解析の講習会で、自転車は既に設計段階でのシミュレーションをしていなければ考えられない形状になっていると紹介されてました。 左右非対称とか、片持ちとか、自転車では昔から有るので試行錯誤だとは思う物の、面白くなりそうです。

投稿: kaz | 2014年7月16日 (水) 10時43分

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